団体連携ー明治大学地域経済研究所

当公益社団法人の飯田泰之理事が所表を務める明治大学地域経済研究所では、マクロ経済学と地域経済学の連関に注目し、特に日本における地域間経済格差や、人口減少に伴う地域経済の変容について実践的な研究を進めています。2024年度奈良県においては、地域内起業の促進、地域外販売の拡大、多様な採用戦略の推進という地域経済循環の改善に向けた提案を講演活動・関係者対話などを通して提示しました。客員研究員との共同研究では、電力消費データを用いたサービス産業の地域別動向分析、地域別景気動向指数の作成について取り組んでいます。当公益社団法人は、これらの研究を通して地域連携を深化させ、現場に根ざした研究活動を続ける研究所の活動を支援いたします。

明治大学地域経済研究所2024年度活動報告

「関西・歴史文化首都フォーラム」推進事業

当公益社団法人では、2020年の「関西ビジョン研究会」、2021年からの「関西歴史文化首都構想研究会」で2025年に開催予定の日本国際博覧会(大阪・関西万博)を起爆剤にして観光客増大と国際交流促進により関西を再興させる機運を盛り上げてまいりました。「関西・歴史文化首都フォーラム」推進委員会は、大阪・関西万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」のテーマの実現にあたって、先人の知恵や遺産が集積した“歴史文化”が、未来を創造していく上での大切な道標の一つではないかと考え、日本の歴史文化の首都ともいえる2府4県(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県)からなる関西で、万博開催までの期間、各府県でフォーラムをリレー開催しました。

 

関西・歴史文化首都フォーラム in Nara  「源」The Place Where It All Began ー はじまりの場所 ー ~大阪・関西万博「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創チャレンジ事業~

奈良県は“はじまり”の場所であり、その地から創出してきた数々の文化のイノベー ションがあります。それらを探り、学ぶことで、今に息づく日本文化の大切な「源」と、いにしえより続く人々の幸せを願う祈りを未来につなげていくことを願い、このフォーラムはそうした営みの “はじまり” となることを目指して開催されました。
当公益社団法人は、奈良で開催された「関西・歴史文化首都フォーラムin Nara」の奈良実行委員会の事務局を務め、川井徳子専務理事は奈良県実行委員会チーフプロデューサーとして準備を進め、全体の企画立案に加え、基調セッションと統括セッションのモデレーターとしても登壇しました。

(山下奈良県知事はじめ延べ20名以上の登壇者、シンポジウム参加者205名、懇親会参加者130名、2025/5/16(木)開催)

シンポジウムは奈良県バスターミナルレクチャーホールをメイン会場に、1F、2Fを全て活用し、6つのセッションに加えて、伝統産業ブース(奈良商工会議所協賛)、奈良酒の鏡開き、この日のお酒のために企画したオリジナルの料理とのマリアージュを楽しむ懇親会(奈良県酒造組合・共栄会等協賛)などのイベントで終日賑わいを見せました。

 

関西ビジョン研究会

当公益社団法人は、奈良をはじめ関西を元気にする取り組みとして、「関西ビジョン研究会」を関係機関と一体となって推進しています。

 

万博を起爆剤に! 歴史文化力による関西の再興

世界遺産や国宝、重要文化財が多数集積している関西は、まさに日本の「歴史文化首都」です。そして、来る2025年の大阪・関西万博は、首都圏への人口流出が加速化し関西の地盤沈下が叫ばれる中、関西が持つ圧倒的な魅力を国内外に発信する重要なタイミングと言えます。
万博を起爆剤に、観光客増大と国際交流促進により関西を再興させる! こうした機運を醸成するために、地方シンクタンク協議会・近畿ブロック、株式会社地域計画建築研究所、及び当公益社団法人は、2020年6月に「関西ビジョン研究会」を立ち上げました。

 

 

第1回研究会の開催

関西ビジョン研究会

「関西ビジョン研究会」は、8月28日(金)、「万博を軸に関西の観光力の再興を」をテーマとする第1回研究会をホテルアジール・奈良で開催しました。コロナ禍での開催を鑑み、会場参加者を関西の文化振興に深く関わる産官学の20数名に限定しましたが、併せてWebでの配信も実施することでより多くの方に視聴いただけるよう配慮しました。
研究会は2部構成とし、第1部では、イベント学会副会長であり平城遷都1300年記念事業「平城遷都1300年祭」のチーフ・プロデューサーを務められた福井昌平氏に、『ふりかえれば、未来!!「関西・歴史文化首都」プロジェクトと「2025大阪・関西万博」』と題する講演をいただき、過去の博覧会の成功の秘訣や、大阪・関西万博を成功に導くアイデアについて伺いました。
冒頭でも述べたとおり大阪・関西万博が関西の「歴史文化首都」としての魅力を国内外に発信するまたとない機会であること、万博の成功に向け「地球市民」としての感性の育成と連帯が必要であること、また関西の魅力を更にアピールするために「関西・スポーツ首都」「関西・食文化首都」も戦略として取り上げることも効果的であること、さらに「歴史文化首都=関西」を世界に向けて構築するため国際記念物遺跡会議(ICOMOS)世界総会を関西に誘致することも大事であることなど、数多くの博覧会事業を手掛けてこられた名プロデューサー福井氏ならではの視点や着眼点に満ち溢れた講演となりました。
続く第2部で、福井昌平氏を囲んだ懇親会を行いました。会場参加者のほぼ全員が参加し、各々の関西再興への熱い思いが活発に交わされた有意義な懇親会となりました。

当公益社団法人は「関西ビジョン研究会」の中核組織として、来年度以降も研究会を継続開催し、コロナ後及び万博を見据えた関西再興への機運を盛り上げていく予定です。

 

 

関連サイト

SSL Forum

当公益社団法人は、社会が抱える諸問題を構造的に深堀・発信するべく、社会科学の専門家による自由闊達なWeb対談やシンポジウムを開催・運営しています。

 

社会の問題を構造的に深堀し発信する

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、日本経済は急激かつ大幅に後退しました。政府によれば2020年度の実質経済成長率は対前年比でマイナス5.2%の見通しとなっています。とりわけ奈良県を支える観光経済に目を向ければ、日本人の国内旅行消費額は2020年5月には前年比約9割の減少となっています。感染拡大防止と経済活動の両立は非常に難しく、今もなお感染拡大防止のために経済活動の抑制を余儀なくされている状況です。
こうした現状の中、当公益社団法人は、2019年度に取り組んだMMT研究会(Modern Monetary Theory:現在貨幣理論)での成果を踏まえ、「SSL Forum」事業を立ち上げました。この取り組みは、社会科学分野の専門家によって社会を構造的にとらえることを通じて、社会の歴史や階層上の構造問題を深堀して発信していくことを目指したものです。

 

 

コロナからの早期回復に向けたWeb対談開催

今回の取り組みとして、下記のとおり「コロナ恐慌緊急提言」と題したマクロ経済学の専門家によるWeb対談を企画・開催しました。そして、対談を動画に収録し当公益社団法人の公式WebサイトやYouTubeを通して公開することで、より多くの閲覧者・視聴者に提案し、感想や意見を求めていくこととしました。

 

対談テーマ 対談者 公開日
Youtube
コロナ恐慌緊急提言
第1章
浜田 宏一氏
(元内閣官房参与、イェール大学名誉教授)
藤井 聡 氏
(元内閣官房参与、京都大学大学院教授)
飯田 泰之氏
(明治大学政治経済学部准教授、当公益社団法人理事)
5月1日
Youtube
コロナ恐慌緊急提言
第2章 Part-1
「財政均衡主義への固執を断ち切れ!!」
飯田 泰之氏
(明治大学政治経済学部准教授、当公益社団法人理事)
井上 智洋氏
(駒澤大学経済学部准教授)
中里 透 氏
(上智大学経済学部准教授)
5月8日
Youtube
コロナ恐慌緊急提言
第2章 Part-2
「米国の巨大な財政・金融政策。その時日本は?」
5月12日
Youtube
コロナ恐慌緊急提言
第2章 Part-3
「本当の危機はこれからだ!」
5月19日
Youtube
コロナ恐慌緊急提言
第3章
「売り上げ3か月完全蒸発!大企業も債務超過に?」
浜田 宏一氏
(元内閣官房参与、イェール大学名誉教授)
中井 康之氏
(全国倒産処理弁護士ネットワーク理事長、弁護士)
川井 徳子氏
(当公益社団法人専務理事)
6月25日
Youtube

 

 

コロナ恐慌緊急提言 第1章
コロナ恐慌緊急提言 第2章
コロナ恐慌緊急提言 第3章

 

第1章及び続く第2章では、従来は是とされていた財政均衡至上主義も今回のコロナ禍においては捨て去るべき考え方であるとの共通認識のもと、第1章ではアベノミクスにも関わってきた元内閣官房参与の2名に、第2章では気鋭の経済学者3名に、各々新型コロナに立ち向かい日本経済を復活に導く経済政策について、500兆円規模の金融・財政政策を次々と実行に移してきた米国の事例も紹介しながら対談していただきました。
これらの内容を受け、第3章では、経済学者で元内閣官房参与の浜田宏一氏と倒産・事業再建の第一線で活躍する弁護士の中井康之氏から、コロナで落ち込んだ企業を単なる「融資」や「貸付」という形で救済することはもはや困難であるとの認識に基づき、大規模な財政出動や債務超過を防止する企業再生支援スキームの構築を核とするアフターコロナへのあるべき政策について提言していただきました。

また、このWeb対談と併せ、様々な専門家の知見を含めた調査・研究をベースとする新型コロナ感染症対策に関する提言書を作成し、この提言書を基に、奈良県選出の国会議員、政府関係省庁、県内の自治体や関係団体等への提言活動を実施しました。

 

 

「SSL Forum」で社会の活性化に貢献

「SSL Forum」は、社会科学分野の専門家による従来にない自由闊達なディスカッションの場を企画・運営することで、社会的問題とその解決方向を科学的・構造的に深堀・提示することを目的とする当公益社団法人の事業です。
コロナ禍が長引いている現況を踏まえ、引き続きコロナ禍から早期経済再生に向けた提言活動に取り組むとともに、今後はコロナに留まることなく幅広い分野における課題にもアプローチすることで、社会の活性化に貢献することを目指していきます。