伝統木造建築 伝統的空間を支える匠の技を未来へとつなぐ

当公益社団法人は、日本の伝統的空間を支える匠の技を未来に継承する活動を推進・支援しています。

 

匠の技を取りまく状況

日本の原風景を形づくる伝統的な建築物や庭園、石垣などの空間。それを支えてきたのが数々の匠の技、すなわち、自然を敬い自然と共に生きながら、自然を生かす技術を磨いてきた職人の努力と英知の蓄積です。しかし、こうした匠の技は、高度経済成長以降の産業構造の変化や日本人の価値観・生活スタイルの変化などにより、その存続に厳しさが増しています。建築基準法の壁や職人の後継者不足等の問題を抱え、存亡の危機に瀕しているとも言われています。
一方、2019年3月、「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」が2020年秋のユネスコ無形文化遺産登録に向け再提案されました。しかしながら、その対象範囲は一部の匠の技に限られており、伝統的空間を広くカバーするには至っていません。
当公益社団法人は、今後、伝統木造建築物等の伝統的空間を支える匠の技の普及啓発と、ユネスコ無形文化遺産の登録対象範囲を広げる活動を推進することで、より多くの職人や技術者の活躍の場を増やし、伝統文化の継承や地域の活性化に貢献したいと考えています。

 

匠の技を取りまく状況

 

 

匠の技の普及啓発に向け、フォーラム開催

さて、2020年秋のユネスコ無形文化遺産候補である「伝統建築工匠の技」の普及啓発活動の一環として、8月4日、東京日本橋の奈良まほろば館において、「普請文化フォーラム2019 平城宮大極殿院の復原から学ぶ~史跡上における復元の法的、技術的手法を探る」を、奈良まほろば館、一般社団法人伝統を未来につなげる会、及び当公益社団法人の主催で開催しました。
このフォーラムは、奈良・平城宮跡歴史公園に復原中の大極殿院にスポットを当て、この復原工事を現在各地で計画されている伝統建築技術と現代の建築技術が融合した建築物への参考とすることで、匠の技の普及啓発を狙いとしたものです。 当日のパネルディスカッションでは、松本浩氏(国土交通省・国営平城宮跡歴史公園事務所所長)、上田忠司氏(㈱竹中工務店設計本部伝統建築グループ・工学博士)にパネリストで、津村泰範氏(長岡造形大学造形学部建築・環境デザイン学科准教授)にはコーディネーターでご登壇いただき、伝統技術による木造新築復元(復原)工事の経緯やプロセスを紹介、今後の課題、等にも踏み込んでお話しいただきました。

 

匠の技の普及啓発に向け、フォーラム開催
匠の技の普及啓発に向け、フォーラム開催

 

 

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