英語パフォーマンス甲子園

当公益社団法人では、次代の青少年を育成するために、「英語パフォーマンス甲子園実行委員会」と共催で、年に一度日本文化発祥の地・奈良で高校生が主役の「英語パフォーマンス甲子園」を開催するための活動を推進しています。

 

アイデンティティを重視「自分」を伝える

「英語パフォーマンス甲子園実行委員会」は2015年に発足し、行政(奈良県・奈良市)をオブザーバーに、内閣官房参与(当時)・元ユネスコ日本政府代表部特命全権大使の木曽功氏が顧問、帝塚山大学の岩井洋学長が委員長に就任してスタートしました。実行委員には教育関係者以外に(公社)奈良市観光協会専務などの観光関係者なども含まれています。
開催理念には多様な文化を認め合い、異文化理解を深めて持続可能な社会づくりを目指すユネスコの理念が盛り込まれています。
グローバル化が進展する社会においては、文化的背景を異にする多様な人々の交流が広範囲にわたって展開すると予想され、またより一層先を見通すことも困難になります。そのため国際語である英語を話せ、自分の本当に伝えたいことを伝え、相手の伝えたいことを的確に受け取ることで、信頼関係を築いていく必要があります。
また、2022年度から高校教育の現場ではアクティブラーニングに力をいれた英語教育が実施されますが、そのためには生徒一人ひとりが課題を身体ごと受け止め、楽しみながら自分で積極的に課題を解決していく新たなアプローチが必要になります。このことから、本大会は単に語学力やパフォーマンスの素晴らしさを競う大会ではなく、何をどのように伝えるのか、異文化の相手に身体ごと伝えようとする表現力、伝達力を評価の基準としています。

 

 

海外からパフォーマーを招聘 中・高校生が観劇

当公益社団法人では、理事長も実行委員として委員会に参加、実行委員会の事務局も当公益社団法人内に置き、積極的に甲子園開催の活動を進めています。
本年度は第4回の実行委員会開催から2月25 日開催の第12 回の実行委員会まで8回の実行委員会を開き、昨年の10 月23 日(日)には奈良女子大学の協力のもと同大学の講堂に於いて、本年8月19 日(土)開催予定のプレ大会に先立ち、ドイツからプロのパフォーマーを招聘して、ドイツ発のコンテンポラリーダンス「浪人―Made in Germany」という英語劇を中・高校生と教師の方々に観劇してもらいました。
「浪人―Made in Germany」は、英語劇であると同時にヒップ・ホップ中心のダンス作品です。ニューヨーク生まれのヒップ・ホップは世界の若者を魅了してきましたが、それは言葉による表現に頼らなくても音楽やダンスで国境を超え、自らを伝えることが可能だからです。
ドイツの青年たちがドイツ語ではなく国際語の英語で演じた背景には、移民の受け入れ等によって、ドイツでは多民族化が進み自らのアイデンティティ喪失に悩む若者が多くいるからです。
公演終了後には、日本人でドイツ籍のパフォーマーを中心に今回の劇を例に取り、「自らを伝える」ことの大切さについて参加者に解説しました。

 

 

来年度のプレ大会、再来年以降の全国大会を通じ、実行委員会での懸案事項の一つに大会審査員の選定があります。
会議を重ねて交渉した結果、審査員長に村上憲郎氏(元Google 米国本社 副社長兼Google Japan 代表取締役)、 審査員に羽根拓也氏(元ハーバード大学ベストティーチャー)、ガー・レイノルズ氏(著書『プレゼンテーションZen』の著者)、金子啓子氏(ベネッセホールディングス執行役員CLO)の4氏が内定しました。語学力だけで判断するのではなく、伝えるための表現力、プレゼンテーション力、日本の文化や地域についての理解など、従来の英語スピーチ大会や弁論大会では審査の対象になっていない視点を設けました。
かつて類例のない大会を目指しています。

 

奈良を中心に関西の高校が参加 プレ大会を開催

今年8月19日(土)午後、奈良市ならまちセンター市民ホールを会場に奈良県、奈良市、(公財)ユネスコ・アジア文化センター、ESD 活動支援センターの後援のもと「英語パフォーマンス甲子園プレ大会」を開催することが確定しています。グランプリ、準グランプリには奨学金等を用意、独創性、コンセプト、表現力、英語力、チームワークを競います。応募料、参加費ともに無料です。
伝統と文化を重視し新しい取り組みにチャレンジする団体を支援している財団の助成金公募に応じ、英語パフォーマンス甲子園実行委員会として一部助成金を活用できることになりました。
プレ大会開催に先立ち、5月11日(木)には審査員でアクティブラーニングの先駆者である羽根拓也氏による教員やその他の方々が対象の研修会の開催を予定しています。7月には参加校対象の個別相談会も計画中です。