私たちについて

奈良は、古くから続く文化・自然・暮らしが折り重なり、豊かな地域社会を形づくってきました。

私たちソーシャル・サイエンス・ラボ(SSL)は、こうした地域の力を未来へつなぐために、政治・経済・文化およびそれらの諸制度に関する調査研究を基盤とし、地域文化の振興、行催事の支援、中小企業等への経営支援を通じて、地域社会の発展に寄与する公益社団法人です。

地域では、社会構造の変化や暮らしの課題、価値観の多様化により、分野横断的で複雑なテーマが生まれています。SSLは、これらを個別の問題としてではなく、地域社会全体の仕組みに関わる複合的な課題として捉え、調査研究にもとづく客観性、専門家ネットワークとの連携、制度や地域文化への深い理解を掛け合わせながら、一般に開かれた学びと参加の機会、成果の社会還元を大切にし、地域のみなさまとともに解決策を描いていきます。

さらにSSLは、地域のプロジェクトを進める際に、産・官・学・民をつなぐ“オーガナイザー”としての役割も果たしています。
多様な立場の人々が力を持ち寄り、協働できる環境を整え、地域課題の解決に向けた合意形成・連携・実行支援を担うことで、持続可能な取り組みを生み出す土台づくりに貢献しています。

現在携わっている主な事業のテーマとして以下のものがあります。

奈良の価値を見つめ直し、未来へつなぐかたちへ。
SSLは、公益目的の趣旨に沿って事業を組み立てながら、地域の皆さまとともに、
持続可能で豊かな地域社会の実現を目指します。
持続可能な未来社会への課題解決

事業領域・専門分野

● 調査・研究/分析
地域の制度・文化・経済等に関する調査・分析、持続可能な社会づくりための研究推進。分析レポートの作成、ガイドブック、動画などのコンテンツの制作など通して知の普及を図るなど成果を社会に活用しています。
● 相談・助言・提言
政治経済・地域計画・文化活用・教育プログラム等に関する相談・助言を行います。文化振興施策に関する構想助言、観光・学びの企画運営や助言などをします。
● 産官学民連携のデザインと実行支援
関係者間の対話づくり、課題の構造化、調査にもとづく論点整理、連携体制の設計、運営の伴走などを通して、地域課題の解決に向けた協働を支えます。
● 講演・シンポジウム
公益目的に資するテーマで、一般公開の講演・基調講演やシンポジウムを企画・実施し、専門家による質を担保します。
● 文化財・地域文化関連
文化資源の調査・分析に基づき、活用方針や展示企画の提言を行います。テーマ設定・専門家関与・一般公開の機会を確保し、公益性を担保します。奈良公園の有形×無形文化遺産を物語化し国際発信。神仏習合や鹿との共生を学ぶ体験等を設計。
● イベント・体験・ツアー
地域資源を活かした公益目的の体験型プログラムを企画・実施。持続可能な社会に向けての啓発や学びの価値を重視します。
● 講座・研修
奈良公園の歴史・自然を伝えるキュレーターの役割をもつガイド研修などを実施します。多言語対応を強化し、インバウンド実証と連動し、英語ガイド育成も実施します。

団体概要

名称
公益社団法人ソーシャル・サイエンス・ラボ
所在地
〒630-8305 奈良市東紀寺町2-10-1
TEL
0742-20-7807
FAX
0742-22-1503
設立
1980年(昭和55年)11月19日
理事長
日置 弘一郎

理事長ご挨拶

2020年度から理事長に就任した日置です。公益法人としてのソーシャル・サイエンス・ラボは大きく変わることになりました。新型コロナウィルスの流行によって、人が集まることが許されないという事態になり、事業の大きな柱であるカルチャーセンターを閉鎖し、新たに事業を展開することになります。公益社団法人としての活動を通して地域社会や社会全体に貢献する事業にウェイトを移していくことになります。当面、SDGs(持続可能な開発目標)の教材開発やセミナーの開催などを考えています。

それにしても、この2年専門家会議なるものに振り回されてきました。専門家がどのような意味で専門家であるのか、あるいはその認定は間違いないのか、さらに個別の専門家会議の発信は妥当なのか。このような検証がないまま、専門家委員会として君臨しているように見えると感じるのは私だけではないでしょう。

ウィルスの研究者・専門家はいます。また感染症の発症メカニズムも専門家はいるでしょう。しかし、感染の条件がどのように働くのかについては湿度・温度・太陽光などの条件に影響され、個別の感染経緯を解明することはできません。さらにウィルスが体内に入っても、それが増殖するかどうかの条件は人によって異なります。

結局、マクロな事象はミクロな事象の積み上げで説明することはできません。他方でマクロ現象についてのモデルを組んでも事前にデータ収集ができているわけではなく、しかも異なるウィルスを事前のモデルとして流用できるわけではありません。基本的には予測不能だということです。
 対策として、個人の接触を避けるということは、中世の天然痘やコレラなどの対策と同一であり、千年近くたってもほとんど進歩はありません。専門家委員会はこれ以上の提案をしているとは思えません。飛沫の拡散状態をスーパーコンピューターのシミュレーションでみせることは象徴的で中世以来のマスクによる予防の効果を最先端のコンピューターで検証しようというわけです。

ウィルスについての研究が進み、ミクロについての知識は蓄積されても、マクロについての予測ができているとはいえません。同じことが経済予測にもいえます。かつては大規模な計量経済学のマクロモデルが開発されていました。それを動かして予測がなされたわけですが、要素を足し合わせただけのモデルでは予測はあたらない。それで、近年では計量モデルはすっかり下火です。

当面の課題のSDGsも実は同じ構造をしていて、マクロ環境の維持とミクロな人間行動を結びつけることは容易ではないようです。異常気象が起きていることは事実です。しかし、その原因が温暖化ガス(特に二酸化炭素)によるものだという点はまだ確認されていません。太陽活動の異常が指摘されており、太陽黒点の減少が指摘されています。温暖化ガスが原因という結論が先行して、その証拠を集める方向で研究が行われたことが知られています。

化石燃料を野放図に燃やしてはいけないと思いますが、すべてのエネルギー源を再生可能エネルギーにすべきという議論は無理だと思います。再生可能エネルギーとしては風力も太陽光も不安定で、制御困難です。過少の場合は不足する電力を補うために火力などの発電設備を維持しなければならず、いわば二重投資になります。過剰の場合には送電網に負担がかかり、停電に追い込まれる可能性があります。再生可能エネルギーへの転換が進んでいるドイツでは、発電した電力の全量を買い取ることを決めているために過剰電力を周辺の国にお金を払って引き取ってもらっているそうです。

電力システムの形成の初期に、エジソンは直流を、ウェスティングハウスは交流を主張します。直流は送電の祭の減衰が激しく、長距離送電に向いていません。しかし、エジソンは多くの発電所を作ればよいとします。結果的にはウェスティングハウスの交流になるわけですが、これは産業用の大規模電力需要に応える上で必然で、遠く離れた場所での大量発電、大量送電、それを工場で大量に使用するという体系になります。他方小規模な直流発電としての太陽光発電であれば家庭内の電力使用はそれでかなりまかなえることになります。

もっとも、完全に両者を分けることは困難で、互いにバックアップする体系でなければなりません。さらに多くの家電にはモーターが使われますが、これを直流モーターにして直交変換を不要にすれば家庭での電力使用の効率が上がります。いずれにせよ、現在の電力システムを前提として家電などの商品は製品化されているので、製品の更新は必要です。

多分、われわれの社会を持続可能にしていくためには多くの追加投資が必要で、それを考えることがSDGsの大きな目標になると思います。

2021年8月吉日
公益社団法人ソーシャル・サイエンス・ラボ
理事長 日置 弘一郎

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