【カルチャー事業】奈良ウェルネス倶楽部(熊本復興支援)

熊本復興支援イベント「今わたしたちにできること」
映画無料上映会・「東北・熊本」物産展・チャリティ販売会など
9月11日(日)奈良ウェルネス倶楽部にて開催!

 

4月に発生した熊本地震の復興のため、私たちに出来ることは何かを考え、平成28年9月11日(日)に熊本地震復興支援イベント「今わたしたちにできること」を開催いたしました。
地震前の熊本を題材にした映画の無料上映や熊本物産品の販売、受講生作品のチャリティー販売会を開催し、来場者の皆さまとともに被災地へ支援の想いを届けました。

 

 

映画「うつくしいひと」製作/くまもと映画製作実行委員会

震災前の美しい熊本の風景に思いを馳せ、それが熊本の支援になることを願いました。 監督・脚本/ 行定勲 脚本/ 堀泉杏 出演/ 橋本愛、姜尚中、高良健吾、石田えり、米村良太郎ほか

 

映画上映会の様子

 

チャリティー作品販売 会場の様子

 

熊本×東北物産展・飲食コーナーの様子

 

いつくしみコンサート会場様子

 

行定勲監督に尼﨑理事長から「熊本地震復興支援イベント」の義援金目録を手渡す

 

【連携事業】大学その他の機関との連携

調査研究部門では全国商工会連合会公募の被災地支援事業として「東北わくわくマルシェ」の展開や奈良県公募の上北山村、明日香村、下市町、東吉野村の「一町一村まちづくり構想策定事業」、安堵町公募の「安堵町まちなか再生計画」などの策定事業にかかわってきましたが、外部組織との連携も積極的に推進しています。

 

帝塚山経営人類学研究会をサポート

当公益社団法人の日置弘一郎理事と中牧弘充氏(現・吹田市立博物館長)の国立民族学博物館定年退職に伴い、研究活動の拠点がなくなっていた経営人類学の拠点を帝塚山大学に移し、新たなメンバーを迎えて研究及び発表を続行することに協力してきました。
昨年度は4回研究会を持ちましたが、今年度は7月にコーネル大学の宮崎広和人類学部教授兼東アジア研究所長を研究会に招き、「東電危機とアベノミクスの金融人類学」というテーマで特別報告をしていただきました。宮崎教授は贈与交換論などで広く世界に知られた学者で、当日は会場となった奈良市内のホテルに多くの研究者が集いました。
我が国の経営人類学の学術的なレベルは非常に高く、国立民族学博物館時代から海外で注目されてきました。その成果を引き継ぐべく帝塚山経営人類学研究会も、今後の活動として研究会だけではなくシンポジュウムの開催等を企画しています。当公益社団法人も趣旨に賛同し、今後も積極的にサポートしてまいります。

 

写真左/金融人類学者・宮崎教授の講演 写真右/岩井学長(左)、宮崎教授(中央)、日置弘一郎先生(右)

 

国立奈良女子大に共同研究を提案

奈良女子大では加齢に関する学際的な学問であるジェロントロジー(高齢学)の研究が行われ、その成果が注目されています。一方、当公益社団法人が運営している奈良ウェルネス倶楽部は、かつて社会保険庁が運営していた時代から、主に高齢者が通っているカルチャー施設です。
そして、公益性が常に問われる組織であるがゆえに活動についてのエビデンス(科学的根拠)が求められています。また、長寿化、高齢化に伴い介護、認知症対策、孤独死、雇用などさまざまな問題が現代社会の問題としてクローズアップされています。
そのため、カルチャー施設の受講生の調査などを含めた「老いを前向きに生きるジェロントロジー(高齢学)」の共同研究を提案しています。
奈良県長寿社会課とも連携して、これからも奈良女子大に限らず、大学等との共同調査・共同研究を提言していきます。

 

 

地方シンクタンク協議会に加入

地方シンクタンク協議会は地域に根ざした課題の調査研究や提言活動を行っている全国のシンクタンクが会員として加入している任意団体です。相互交流を計り、地域での政策提言の質的な向上により地域社会に貢献することが目標で、特別協賛会員である(公財)総合開発研究機構を除き57の組織が加入(本年度末現在)しています。
当公益社団法人も昨年度この協議会に加入、地域での政策提言の立案に取り組む準備を進めています。なお、同協議会では地方シンクタンクフォーラムのほか交流会、視察見学会、テーマ別研究会等も開催。
2月24日(金)奈良ロイヤルホテルホテルで開催された「第15回経営者会議」には当公益社団法人も参加、グループ討論テーマの「観光にみる地方活性化への進展~シンクタンクが考える観光戦略~」について意見の交換を行いました。

 

 

【連携事業】安堵町 地域振興構想

今年度、さらに次年度にかけて安堵町の歴史的財産の再発掘のための調査研究を行っています。さらにその成果を生かし、観光や地域経済の活性化に結びつけるための近隣の自治体との連携を模索しています。

 

当公益社団法人は平成28年度の事業として、民間シンクタンクのアルパック(地域計画建築研究所)の協力のもとで、安堵町から受託した「安堵町まちなか再生計画」をまとめました。
今年度はさらに当公益社団法人から「アート&(あんど)」という町が目指す方向性を定めた提案を行政に行いました。
そして、この提案を生かすためには、文化的資源を再発掘しつつ斑鳩、平群その他の地域と連携して広域で町づくりをしていく基本戦略と具体的なアプローチが必要なため、現在さまざま調査活動を行っています。
一方、安堵には他の市町村にはない「貴重な財産」があります。その財産を町が国や県からの助成を活かして、どのように地域の活性化に結びつけるのかの研究も始めています。

 

 

近代化に貢献した今村家の人々

安堵町の最も貴重な財産は、文化遺産と古代から続く歴史であり、水運によってもたらされた他文化の人たちとの交流によって営々と蓄積されて来た「知の集積」です。
また、安堵の自然が育んで来た「自然に学び生きる」という利害を離れて大局に立ち自らを深めていく生き方です。
総務省では2018年(平成30年)が明治元年から満150年の年に当たるため「明治150年関連施策」の推進に力を入れ、全国の自治体に公募を行っています。「明治以降の歩みを次世代に遺す」「明治の精神に学び、更に飛躍する国へ」がその趣旨です。
さらに、2021年は聖徳太子没後1400年に当たるため「聖徳太子プロジェクト」を組んで、奈良県では県内のゆかりのある市町村や府県などと連携した様々なイベントによる情報発信を実施し、地域の聖徳太子関連の歴史文化遺産活用につながる取り組みを進めています。
昨年11月には文化庁も歴史文化基本構想の策定事業の公募を行いました。対象は全国の市町村ですが、単独もしくは連携して策定することが条件で、市町村が県の担当部署を経由して文化庁へ申請することになります。
この事業は次年度以降も継続されると思われます。
一方、安堵は数多くの偉人を生んでいます。伴林光平ら明治維新の魁となった天誅組の主要メンバーらと親交があり、自らも知識人として広く知られていた今村文吾、文吾の甥で奈良県の再設置運動のリーダーだった今村勤三、彼の四男で結核治療に貢献し、医学界にいまも今村賞が引き継がれている第五代大阪大学総長の今村荒男などを輩出した今村家の近代日本の国づくりに大きく貢献した足跡が残っています。今村荒男は人間国宝第一号の富本憲吉とは旧制郡山中学時代からの友人で富本の生涯の友でした。その今村荒男の業績をもっと広く世の中の人々に知っていただく取り組みについて、当公益社団法人では安堵町に提案、協議した結果、次年度の国民文化祭の事業として取り上げられることになりました。

 

写真左/旧今村家本家(現・安堵町歴史民俗資料館) 写真右/飽波神社

 

市町村連携の鍵は学術的な調査研究に

安堵の地に関連した偉人の歴史は聖徳太子にまでさかのぼることができます。
聖徳太子が最後に住んだ飽あくなみあしがきのみや波葦墻宮は安堵にあったという伝承があります。安堵町は斑鳩と飛鳥を太子が馬で通った太子道が町内を走っていることで知られ、太子が休憩のため腰掛けたと伝えられる御幸石が現存していますが、発掘を伴う学術調査はまだ本格的に行われていません。飽波神社の由来についても調査が必要だと思われます。古文書に「飽波集団」が法隆寺に幡(ばん・旛)を納めた記録があります。飽波は渡来系の機織りの部族かもしれません。秦氏とも関わりがある可能性があります。
聖徳太子の時代、飽波評という地域がありましたが、太子の死後、大宝律令のもとでは郡へと地位が下がり、平群評が新たに誕生しています。
聖徳太子を巡ってはまだ謎も多く、他の市町村と連携していく上でも早急な学術調査とそれに基づく市町村間の調整が望まれます。

 

【安堵町プロジェクト】うぶすなの郷 TOMIMOTO

富本憲吉の息遣いを感じる風景- 美しい暮らし 豊かな時間。五感が心地よいと感じる空間

当公益社団法人は2013年11月に安堵町の旧富本憲吉記念館を取得し、運営先の企業と「芸術家・富本の創作空間を感じる宿」「寛げる宿」を目指して、企画段階から約2年間討議を重ねて来ました。
我が国の人間国宝第一号の富本憲吉の言葉に「樹を見るは陶器を見るに似たり」という含蓄の深い言葉があります。樹木の根を育てるのは、その土地の自然、歴史・風土です。デザインはもとより制作工程の細部まで見直して、自然に即し独自のスタイルを確立した富本の芸術家としての原点を大切にして、今年3月に「うぶすなの郷 TOMIMOTO」がオープンしました。
これからも、より一層深く富本憲吉の原点を大切にして、「美しい暮らし 豊かな時間。五感が心地よいと感じる空間」の提供を目指します。
なお、このポリシーが評価されたのか、オープン前から地域創生、行政の補助金活用の成功例としてマスコミに取り上げられて来ました。

 

 

うぶすなの郷 TOMIMOTO

【支援事業】英語パフォーマンス甲子園

当公益社団法人では、次代の青少年を育成するために、「英語パフォーマンス甲子園実行委員会」と共催で、年に一度日本文化発祥の地・奈良で高校生が主役の「英語パフォーマンス甲子園」を開催するための活動を推進しています。

 

アイデンティティを重視「自分」を伝える

「英語パフォーマンス甲子園実行委員会」は2015年に発足し、行政(奈良県・奈良市)をオブザーバーに、内閣官房参与(当時)・元ユネスコ日本政府代表部特命全権大使の木曽功氏が顧問、帝塚山大学の岩井洋学長が委員長に就任してスタートしました。実行委員には教育関係者以外に(公社)奈良市観光協会専務などの観光関係者なども含まれています。
開催理念には多様な文化を認め合い、異文化理解を深めて持続可能な社会づくりを目指すユネスコの理念が盛り込まれています。
グローバル化が進展する社会においては、文化的背景を異にする多様な人々の交流が広範囲にわたって展開すると予想され、またより一層先を見通すことも困難になります。そのため国際語である英語を話せ、自分の本当に伝えたいことを伝え、相手の伝えたいことを的確に受け取ることで、信頼関係を築いていく必要があります。
また、2022年度から高校教育の現場ではアクティブラーニングに力をいれた英語教育が実施されますが、そのためには生徒一人ひとりが課題を身体ごと受け止め、楽しみながら自分で積極的に課題を解決していく新たなアプローチが必要になります。このことから、本大会は単に語学力やパフォーマンスの素晴らしさを競う大会ではなく、何をどのように伝えるのか、異文化の相手に身体ごと伝えようとする表現力、伝達力を評価の基準としています。

 

 

海外からパフォーマーを招聘 中・高校生が観劇

当公益社団法人では、理事長も実行委員として委員会に参加、実行委員会の事務局も当公益社団法人内に置き、積極的に甲子園開催の活動を進めています。
本年度は第4回の実行委員会開催から2月25 日開催の第12 回の実行委員会まで8回の実行委員会を開き、昨年の10 月23 日(日)には奈良女子大学の協力のもと同大学の講堂に於いて、本年8月19 日(土)開催予定のプレ大会に先立ち、ドイツからプロのパフォーマーを招聘して、ドイツ発のコンテンポラリーダンス「浪人―Made in Germany」という英語劇を中・高校生と教師の方々に観劇してもらいました。
「浪人―Made in Germany」は、英語劇であると同時にヒップ・ホップ中心のダンス作品です。ニューヨーク生まれのヒップ・ホップは世界の若者を魅了してきましたが、それは言葉による表現に頼らなくても音楽やダンスで国境を超え、自らを伝えることが可能だからです。
ドイツの青年たちがドイツ語ではなく国際語の英語で演じた背景には、移民の受け入れ等によって、ドイツでは多民族化が進み自らのアイデンティティ喪失に悩む若者が多くいるからです。
公演終了後には、日本人でドイツ籍のパフォーマーを中心に今回の劇を例に取り、「自らを伝える」ことの大切さについて参加者に解説しました。

 

 

来年度のプレ大会、再来年以降の全国大会を通じ、実行委員会での懸案事項の一つに大会審査員の選定があります。
会議を重ねて交渉した結果、審査員長に村上憲郎氏(元Google 米国本社 副社長兼Google Japan 代表取締役)、 審査員に羽根拓也氏(元ハーバード大学ベストティーチャー)、ガー・レイノルズ氏(著書『プレゼンテーションZen』の著者)、金子啓子氏(ベネッセホールディングス執行役員CLO)の4氏が内定しました。語学力だけで判断するのではなく、伝えるための表現力、プレゼンテーション力、日本の文化や地域についての理解など、従来の英語スピーチ大会や弁論大会では審査の対象になっていない視点を設けました。
かつて類例のない大会を目指しています。

 

奈良を中心に関西の高校が参加 プレ大会を開催

今年8月19日(土)午後、奈良市ならまちセンター市民ホールを会場に奈良県、奈良市、(公財)ユネスコ・アジア文化センター、ESD 活動支援センターの後援のもと「英語パフォーマンス甲子園プレ大会」を開催することが確定しています。グランプリ、準グランプリには奨学金等を用意、独創性、コンセプト、表現力、英語力、チームワークを競います。応募料、参加費ともに無料です。
伝統と文化を重視し新しい取り組みにチャレンジする団体を支援している財団の助成金公募に応じ、英語パフォーマンス甲子園実行委員会として一部助成金を活用できることになりました。
プレ大会開催に先立ち、5月11日(木)には審査員でアクティブラーニングの先駆者である羽根拓也氏による教員やその他の方々が対象の研修会の開催を予定しています。7月には参加校対象の個別相談会も計画中です。